引田部赤猪子(ひけたべのあかいこ)

『古事記』に記載のある女性。

第21代雄略天皇が三輪川に御幸した時に、川辺で洗濯していた美童女。

その容姿があまりにも美しかったために雄略天皇は名を問う。そして、「嫁行っちゃダメ、今度召し出すから」と告げて去っていく。

雄略天皇の言葉を信じたアカイコ、ずっとずっと待っていても、何の音沙汰もなく、とうとう80歳のおばあちゃんに。老婆になって醜くなってしまったので、今さら相手にされないことは重々承知で、アカイコは雄略天皇のもとに、当時もらった証拠の品を携えて上京。

雄略天皇は全く当時のことを覚えておらず、「どこの老婆? なぜ来た」と聞くので、かくかくしかじかとアカイコが事情を説明。

さすがの雄略天皇も「おおっ、それは可哀想なことをした」と言い、一度でも抱いてやりたかったが、その老いを憚り、歌を二首送る。これがまた、傲慢さにじみ出る出る。

赤猪子は泣き、やはり二首の歌を返す。「もうどうにもならないわ~」とか、「皇后のワカクサカは若くてお美しいくて羨ましい~」など。

多くの贈り物をもらい、実家に帰される。

【主な登場場面】
「オマエ可愛いから大人になっても嫁行くな」と雄略天皇に言われた童女の顛末

【収録歌】
アカイコ、70年も待ちぼうけさせられた雄略天皇に送った歌
アカイコ、雄略天皇に待ちぼうけで皇后ワカクサカを嫉んだ歌

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